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シャッタースピード
最近シドばっかり聞いてるんですが、そんな彼らの楽曲をインスパイアしました・・・。

シャッタースピード】という曲で、最新アルバムに入ってるものです。

色々書かなきゃいけない物が溜まってるんですが、筆休めと言うか気分転換と言うか。
一応2000字以内には収めてるんですが、そのせいで展開が急かも・・・(いつもやん

良かったら読んでやってください<(_ _)>
そして(・∀・)イイ!!って思ったら是非web拍手押してやってください(。´・ω・)(・ω・`。)ネー

play-シャッタースピード- play
シド (2006/11/08)
デンジャー・クルー・エンタテインメント

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【シャッタースピード】


最初から分かってた。実るはずないって。

「守、入部届け出した?」
「もちろん。」
幼馴染の修治が確認すると、守は頷いた。修治はカッコよくて、スポーツ万能なのだが、なぜか守と同じ写真の趣味を持っている。修治はもっぱら風景だが、守は人物写真だった。
「楽しみだな。」
「うん。」
守と修治は楽しみで仕方がなかった。高校に写真部があると知った時、彼らは絶対に入ろうと決めていたのだ。

早速部室に顔を出すと、三人の先輩と同い年の女の子が居た。まず先輩たちがそれぞれ自己紹介をし、彼女の番になる。
「一年A組の石橋奈美です。よろしくお願いします。」
それはまさに一目惚れってヤツだった。

同い年の三人はすぐに仲良くなった。
「へぇ。二人は幼馴染なんだ。」
「うん。生まれた時から一緒。」
「いいね。そういうの。」
奈美は楽しそうに笑った。彼女を知る度に惹かれていく自分に気づく。同時に奈美の気持ちにも。

「ねぇ、守くん。修治くんって好きな子いるのかな?」
部室でたまたま二人になった時、唐突に奈美が聞いてきた。
「さぁ?どうだろ。」
動揺を隠しながら、そう答える。
「そういう話はしないの?」
「あんまりしないかな。」
「そっかー。守くんはいないの?好きな子とか。」
『君だよ。』と言いたい気持ちを押し込め、「いないよ。」と答える。
「そうなんだ。ねぇ、修治くんって中学時代とかどんなだったの?」
すぐに話題が修治の方へ移り、守は何だか面白くなかった。
「奈美は、修治の事が好きなの?」
つい口をついて出た言葉は、直球すぎた。慌てて繕おうとするが、遅かった。奈美は少し俯き、顔がみるみる赤くなっていくのが見えた。
(やっぱり・・・。)
そう確信した瞬間、彼女が顔を上げた。
「修治くんには内緒だよ。」

何てことだ。知りたくなかった。
でも分かってたことだった。修治はカッコいいし、人当たりもいい。地味な自分なんかより、ずっと素敵だと思う。

「お前さ、奈美の事、どう思う?」
修治と一緒に帰っていると、不意にそう聞かれた。
「どうって?」
ドギマギしながら聞くと、修治は少し照れくさそうな顔をした。
「俺、好きかも。」
「マジで?」
修治はコクンと頷いた。
「初めてなんだよな。同じ趣味で話が合う子って。」
なるほどなと守は思った。

初めから分かってた。どう考えても不利だ。不利な状況が変わらないなら、今自分ができることは・・・。

「え?モデル?あたしが?」
奈美は驚いて聞き返した。守はカメラの手入れをしながら口を開く。
「うん。俺人物しか撮らないんだよね。是非協力して欲しいんだけど。」
「え?でもあたし、モデルなんてやったことないし・・・。」
「相手役が修治でも?」
そう聞くと、奈美は顔が赤くなった。
「守くんの意地悪。」
守は「ハハッ」と笑った。

奈美と不意に二人きりになった時、話題に上るのはやはり修治だった。少し美化して伝える修治の姿。奈美はそれを聞く度、嬉しそうにしていた。
どんな理由であれ、二人きりで居るのは嬉しい。だが彼女に意識されてないことが悲しくなってくる。
こっちに振り向いて欲しい。もちろんそんなの無理に決まってる。

撮影は校内で行った。テーマは学園内の恋人。しかし二人はどうしても照れが入ってしまうようだった。
「照れてちゃいい写真が撮れないだろう?」
そう言っても、よくなるどころか余計に照れていた。
何だかモヤモヤする。胸の奥が軋む。何だか分からないが、無性に腹が立ってきた。守の中で何かがプツンと音を立てた。
「奈美、ちょっといい?」
守が呼ぶと、奈美は守の近くにやって来た。
「本当はずっと言わないでおこうって思ったんだけど。」
守はジッと奈美の目を見た。
「俺は・・・奈美のことが好きだ。」
言った。言ってしまった。もう取り返しなんてつかない。綺麗なトライアングルを今ぶち壊したのだ。奈美は驚いているのか、言葉が出ないようだった。沈黙を破ったのは修治だった。
「ちょ・・お前、何言ってんだよ!」
慌てた様子でこちらに向かってくる。
「何って本当のことだよ。」
「お前、そんなこと一言も・・・。」
修治は動揺していた。当たり前だ。本当の事なんて言える訳なかった。
修治は何かを決心したように唇を噛んだ。そして奈美に向き直る。
「俺も、奈美の事が好きだ。」
ようやく告白した。驚いた奈美は、固まっている。
そうして彼女が選んだのは・・・。

「あーあ。降り出しちゃったか。」
とうとう降り始めた雨に修治が呟く。
「ここに一本の傘があります。」
唐突に守が傘を取り出し、二人に渡す。
「二人は俺の先を歩いて。俺は撮る。」
そう言うと納得した修治が傘を広げ、奈美を招き入れる。それでも寄り添わない二人。何だか憎らしい。本当の恋人になったのに、と守は溜息をついた。
レンズ越しに見える二人の照れた嬉しそうな笑顔。シャッタースピードはゆっくり。
(これくらいの反抗はいいよな。)
守はこっそり奈美の隣からピントを外した。




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